古代オリエント博物館「やっぱりエジプトが好き」へ行ってきました!
池袋・サンシャインシティにある古代オリエント博物館で開催中の企画展、「やっぱりエジプトが好き」に行ってきました。 今回のテーマはなんと、「昭和の日本に巻き起こったエジプトブーム」。
古代エジプト文明そのものを紹介する展示とはひと味違い、 日本人の暮らしや文化の中にどのようにエジプトのデザインやイメージが取り入れられていたのかに焦点を当てた、とてもユニークな展覧会でした。

昭和の“エジプトフィーバー”とは?
展示の冒頭では、戦後の日本でエジプトがどのように人気を集めていったのかが紹介されています。 特に昭和30〜40年代、ツタンカーメン王墓の発掘や映画『クレオパトラ』の影響を受けて、 日本でも「エジプト=ロマン」として多くの人々を魅了した時代がありました。
テレビや雑誌、映画が次々とエジプトを特集し、 ピラミッドやスフィンクス、ナイル川のイメージが“異国への憧れ”の象徴として広がっていったそうです。 今回の企画展では、まさにその「当時の空気」をリアルに感じ取れる展示構成になっていました。

着物や食器にもピラミッド!?昭和のデザインに宿るエジプトの風
展示の中で特に印象的だったのは、日本の生活用品に取り入れられた“エジプト風デザイン”の数々。 昭和の女性たちが身に着けた着物や帯には、 ナイルの流れを思わせる曲線や、ピラミッド・蓮の花・スフィンクスなどをモチーフにした模様が織り込まれていました。
また、陶器やガラスの食器にも、クレオパトラを思わせる図案や金色の装飾が施されており、 “昭和レトロ×エジプト”という異色のコラボレーションがなんとも魅力的。
こうしたデザインが当時、百貨店や雑誌で人気を集めていたことを示す広告資料も展示されており、 「日本人が抱いた異国への憧れ」がどのように日常の中に溶け込んでいたのかがよくわかります。


マッチ箱・雑誌・包装紙に見るポップなエジプト像
展示の中盤では、喫茶店やホテルのマッチ箱コレクションがずらりと並びます。 そこには「クレオパトラ」「ナイル」「ピラミッド」などの名前が躍り、 スフィンクスやファラオのシルエットがモダンデザインとして描かれていました。
当時の日本では、エジプトのイメージは“遠い異国”というよりも、 洗練されたデザインモチーフとして捉えられていたようです。 喫茶店の看板、タバコのパッケージ、雑誌の表紙などにもエジプト風の意匠が見られ、 まさに日本全体が「エジプトに恋をしていた」時代だったことが伝わってきました。

エジプト=古代ロマンからポップカルチャーへ
本展の魅力は、エジプトというテーマを単なる考古学的な視点に留めず、 “文化の受け入れ方”という現代的テーマで掘り下げていること。 古代文明が日本人の美意識や流行にどのような形で影響を与えたのか—— その橋渡し役となったのが、まさに昭和のデザイナーや職人たちだったのだと感じました。
展示室には、実際の衣類や器、印刷物のほかに、 デザインスケッチや当時の雑誌記事も展示されており、 “異国の美”をどう日本の生活文化に落とし込んだのかを知る貴重な資料ばかりでした。
懐かしさと新鮮さを感じる展覧会
昭和のものづくりに息づくエジプトの影響を眺めていると、 当時の日本人が感じた「遠い世界への憧れ」と「デザインへの遊び心」が伝わってきて、 なんだか温かい気持ちになります。
ミイラやピラミッドではなく、生活の中の“エジプト”に焦点を当てた本展は、 世代を超えて楽しめる文化展としてもおすすめ。 デザイン好き、レトロ好きの方には特に刺さる内容です。

開催情報・アクセス
- 開催期間:2025年9月27日〜11月24日
- 会場:古代オリエント博物館(東京都豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ文化会館7階)
- 開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
- 入館料:一般 1,000円/大学・高校生 800円/中学生以下 無料
- 公式サイト:https://aom-tokyo.com/
まとめ:時代を超えて“エジプト愛”は続いている
この展覧会を通して感じたのは、 日本人が昔から持っていた「異国への憧れ」と「デザインを楽しむ心」。 昭和の人々がエジプトに夢を見たように、今の私たちもまた、どこかにロマンを求めて生きているのかもしれません。
展示の最後に掲げられたメッセージ「やっぱりエジプトが好き」という言葉が、 そのまま会場を後にする多くの人の気持ちを代弁しているようでした。
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